病院内の環境には,患者診療に起因する様々な臭気がある。患者から採取された血液・尿・糞便などの検体を処理する臨床検査室における,臭気に関する調査と考察を行った。採血ブースと採尿室のバックヤードである検体検査室はこれらの検体の処理や保管において,検体から揮発する成分や腐敗のため臭気が発生している。細菌検査室は,喀痰・尿・血液・尿・糞便・髄液・膿などの検体に加え,培地そのものが臭気の原因となる。
臭気に対して様々な方策が試行されているが,費用対効果を踏まえた有効な方法はない。病院内を衛生的で快適に保つため,臭気の効果的な対策は今後の課題である。